物故の城山三郎さんから薦められていた・・

文化勲章受賞作家・永井龍男の短編小説名をほんと鮮やかに度忘れしてしまって1週間余が経つ。
くやしいことに文庫名さえ同様だから、あまりに度は過ぎる。
「短編小説の名手なら彼(永井)って僕は思うね、絶版だけど探し出して読むといいよ。市井にあっての人生の襞(ひだ)と機微が織りなす名作だから」とまで。
元来が寡黙だが、経済小説を文化芸術の域に導かれたフロントランナーは来札時の雑談で、そう付け加えてくださった。
その後まもなく、夢想もし得なかったことに掌編のみのコピーが、この愛妻に逝かれた斯界の大家から送られて来る。
内容は措くが、彼岸に先立った連れ合いや家族との在り様をさりげない筆致で綴りながら、自身のきょうこれからの確たる行動につなげていく緊張感が切なく読み手の心を撃つ。
資料ほかの整理整頓癖に縁遠いのを認めつつ、遅くも年内には貴重なコピーを探しあて向き合うなどし、認知症気配を一時的にせよ払拭したいものだ。

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